母親の足を洗う・・・!!

今日は、ある会社の「入社試験」でのお話しを紹介します。
その会社は筆記試験後にある質問をし、変わった課題を与えます。

その社長さんは、自分の社員を見ていて、次のようなことを考えたそうです。
一生懸命に社員教育で規則やノウハウばかり教えても、社員の心が豊かにならないと組織は活性化しないのではと・・・。

また人は、論理や理屈だけでは、行動を起こしにくいものです。
そこで、「論理」だけでなく、「感情に働きかけようとします。

感情を揺さぶる実体験で、「本当の感謝とは何か?」が理解でき、お客様に心から感謝できる社員が育つと思うようになります。

そこで社長さんは、毎年の入社試験の最後に、学生に次の二つの質問をするようになります。

まず、学生に向って
「お母さんの肩たたきをしたことがありますか?」
と問うと、ほとんどの学生は「はい!!」と答えるそうです。

次に、
あなたは、お母さんの足を洗ってあげたことありますか?
と問うと、これにはほとんどの学生が「いいえ」と答えるそうです。

「それでは、三日間差し上げますので、その間に、お母さんの足を洗って報告に来てください。それで入社試験は終わりです」と・・・。

学生達は、そんなことで入社できるのなら、とほくそ笑みながら会社を後にするそうです。

ところが、母親に言い出すことが、なかなかできないと言います。
ある学生は、二日間、母親の後をついてまわり、母親から「おまえ、気が狂ったのか?」と聞かれました。
ついに息子は思い切って、「いや、あの〜、お母さんの足を洗いたいんだけど」
それに対し母親は「なんだい?気持ち悪いね〜!!」と話します。
こうして、その学生は、ようやく母親を縁側に連れて行き、たらいに水を汲みお湯をたして準備をしました。

ところが、洗おうと左足を持ち替えた瞬間、あまりにも荒れてひび割れた母親の足の裏に気づきます。

その学生は心の中で、「うちはお父さんが早いうちに死んでしまって、お母さんが死に物ぐるいで働いて、自分と兄貴を養ってくれた。この荒れた足は、自分達のために働き続けてくれた足なんだ!!」と初めて気づき、こみ上げてきて胸が一杯になりました。そして、「お母さん、長生きしてくれよな」と、思わず一言小さな声で言うのが精一杯でした。

それまで、息子の「柄にもない親孝行」をひやかしていた母親は、心から「ありがとう!!」と言ったまま黙り込んでしまいました。
そして、ポトリ、ポトリと息子の手に母親の涙が落ちてきます
学生は、母親の顔を見上げることができなくなって、「お母さん、ありがとう!!」と言って部屋に引きこもりました。

そして翌日、会社に報告に行きました。
私はこんなに素晴らしい教育を受けたのは初めてです。社長、本当にありがとうございました」としみじみと話しました。

君は一人で大人になったんじゃない。
両親をはじめいろいろな人たちに支えられて大人になったんだ。
これからはなあ、自分一人の力だけで一人前になるのではないんだ。
私も、お客様や従業員や、いろいろな人達との出会いの中で、
一人前の社会人にならせていただいたんだよ。
」と・・・。

この話しは、実際にあった実話です。
その社長さんは東日本ハウス創業者である中村功氏です。

香川県高松市出身です。

思う存分、生きてみよ!―「志」はすべてを可能にする
中村功 人生は戦い―ひた走りに走り続ける戦いの人間学
非エリートがエリートに勝つ日 決定版